胡蝶蘭はなぜ高いの?【※徹底解説】3つの理由と、安い胡蝶蘭の注意点

胡蝶蘭はなぜ高いの?【※徹底解説】3つの理由と、安い胡蝶蘭の注意点

胡蝶蘭って高いですよね。最低でも約10,000円〜と、数あるお花の中でもトップクラスの価格です。

そんな胡蝶蘭は、お祝いにピッタリな魅力が多く、贈り物として選ばれることが多いです。しかし胡蝶蘭が高価になる理由は、『需要があるから』だけではありません。

この記事では”胡蝶蘭が高くなる理由”を3つにまとめて解説しています。

目次
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日本で育てるには、徹底した温度管理が必要

温室

胡蝶蘭の原産地は、高温多湿な東南アジア。胡蝶蘭は熱帯の植物です。なので気温や温度が低い環境では育てることができません。

そんな胡蝶蘭は、寒さと乾燥に弱く、多湿を好みます。つまり四季のある日本で胡蝶蘭を育てるには難しく、それなりの技術が必要です。

繊細な胡蝶蘭を日本で育てる場合、専用の温室の中で24時間、温度や湿度を細かく管理しないといけません。

しかし、細かい温度管理をしようとすれば当然光熱費がかかりますよね。さらに手間や時間がかかることから原価が高くなる大きな原因の1つなのです。

環境維持費用が高い

「温度管理」とひとことで言うと簡単そうに聞こえます。しかし、この温度管理をするためには膨大な光熱費が必要です。

温室を作るための施設を購入し、維持する費用』『温度・湿度を保つための燃料や電力』『水道代』などかかる費用はたくさんあります。

今では年中いつでも胡蝶蘭を購入することが出来ます。その裏側には年中出荷するために、寒い冬でも室内の高音(25度程度)を維持して胡蝶蘭を育てている人がいるんです。

そして胡蝶蘭は、花を開かせるために一度低温環境に置く必要があります。胡蝶蘭を育てるためには、このように一日もかかさず細かい温度管理をしなくてはなりません。

四季のある日本では”夏”と”冬”に多くの費用がかかり、特に寒い1月〜2月は、1ヶ月の光熱費が1000万円を超える生産農家もあるようです。

胡蝶蘭は輸入が難しい

「そこまで温度管理してまで、なぜ日本で育てるの?」と思う方もいるかもしれません。

確かに胡蝶蘭を苗から栽培しようとすると2〜3年と時間がかかるし、温度管理の費用も高い。原産地からお花を咲かせた胡蝶蘭をそのまま輸入する方が、安くあがるように想像できます。

しかし胡蝶蘭は、急激な温度変化や振動に弱いため、日本に到着したころには枯れてしまうこともあります。そのため苗の状態から国内生産せざるを得ないという事情があるのです。

『輸入できない』これが単価に影響して、胡蝶蘭が高価になってしまう大きな原因の1つです。

日本で育つ胡蝶蘭は、輸入した苗から育てられる

苗

私たちが目にする胡蝶蘭の多くが、原産地である東南アジアで栽培され、苗に育った状態を輸入して育てられています。

東南アジアの中でも『台湾』の胡蝶蘭の栽培技術は世界トップクラス。暖かい亜熱帯気候の台湾では、熱帯植物である蘭の栽培や研究が盛んに行われています。

日本の生産農家も、約90%が台湾から輸入した苗を使用しています。

しかし苗を輸入することにも、胡蝶蘭が高価になってしまう理由があるんです。

苗の単価が高い

苗を輸入すれば当然コストはかかります。

胡蝶蘭の苗の相場は、育成段階や品種にもよりますが、1株約1000円

苗の時点で高いのは、胡蝶蘭が植え替えできる苗に育つまでに約2年かかるからです。しかしそれでも、胡蝶蘭を種から育てると約4年かかると言われています。

2年は長いですが、それでも半分の時間短縮ができているんです。

それは胡蝶蘭が、現在主流の栽培方法では種から育てていないからです。バイオテクノロジーを使ったクローン栽培という技術が用いられています。

クローン技術のメリットとしては、時間短縮以外にも

  • 優良品種と同じ遺伝子の胡蝶蘭だけを増殖することができる。
  • 美しくて病気にも強い、高品質の胡蝶蘭だけを生産していくことができる。

など、この技術のおかげでキレイな胡蝶蘭を安定して生産できるようになりました。

しかしこの技術をもってしても2年かかります。2年の手間と技術力に加え、輸送費もかかるので苗の価格が上がってしまうのです。

胡蝶蘭のタネは発芽させるのも難しい

苗が高いなら畑にタネをまいて育てれば安くなるんじゃないの?

それも簡単ではなく、胡蝶蘭のタネはただ土にまいても芽を出しません。

胡蝶蘭も他の花と同じように、受粉してタネを作ります。そのタネは4〜5万粒もあるようです。しかし胡蝶蘭のタネはたくさんできても、自然に発芽する確率はかなり低い。

そのためガラスのフラスコ容器の中で栄養分がとりやすい無菌状態を作り、人工的に発芽させる必要があるんです。

そんな胡蝶蘭を種から栽培すると、

  • キレイに咲くモノと、そうでないモノにわかれ品質にムラが出る
  • 品質が悪いと出荷できず、処分せざるをえない
  • 出荷できないモノが増えるので効率が悪く、胡蝶蘭の価値がさらに高くなってしまう

といった事が起きてしまいます。

なのでクローン技術で育てられた高品質の苗を輸入し育てる方が、キレイな胡蝶蘭を安定して生産できるんです。

種から育てる栽培方法が主流だったのは30年ほど前まで(2022年現在)。クローン技術が安定しない当時は、胡蝶蘭は今よりもはるかに高価な花でした。

胡蝶蘭の栽培は、手間と時間・技術の結晶

時計,時間

胡蝶蘭が花を開かせるまでには、とにかく長い時間がかかります。

苗に育つまでにに約2年、苗から花を咲かせて出荷できるまでに約3年。トータルすると約5年もかかってしまいます。長い時間と手間をかけてやっと胡蝶蘭は出荷できるまでに育つんです。

そんな胡蝶蘭が出荷される時には、1本に9輪以上の花が咲いています。

一本立ちの胡蝶蘭 鉢
12輪の胡蝶蘭

これはすごい技術で、1本に多く輪数をつけるのはとても難しいんです。胡蝶蘭の蕾は、1輪ずつ徐々に咲いていきます。先っちょの花が咲いた頃にはすでに開いていた花が枯れることも。

先に開いた花を枯らさずに維持したまま、たくさんの花を増やしていくには技術が必要なんです。

温度管理や、水やりなど1つ1つが技術で、これらの手間と時間を費やして出荷されるので、胡蝶蘭は高価になります。

生産者の手間は育成だけじゃなく、仕上げまで

胡蝶蘭のギフトといえば、”3本立て”や”5本立て”をよく見かけますよね。ですが胡蝶蘭を育てる時に、同じ鉢で3本一緒に育てるのではありません。

胡蝶蘭を育てる工程では、1本ずつ育てられます。そうして出来上がった1本1本を、1つの鉢に植えて華やかにしているんです。この寄せ植えの工程でも見栄えをよくするために、さまざまな技術が詰まっています。

茎を曲げ、花を手前に向けて1列に並ぶようにキレイに整える。この作業を『仕立て』と呼びますが、熟練の技術が必要で、とても手間のかかる作業です。

同じような曲線をつくり、間隔もバランスよく配置しないといけない。作業途中で株を痛める可能性もあり、最新の注意が必要です。

他にも生育途中に成長に合わせて植え替えしたり、倒れないように支柱を立てるなどの手作業がかかせません。支柱を立てたり、支柱に合わせて胡蝶蘭を曲げる際も、胡蝶蘭の茎はとても折れやすいため、熟練のプロでも気を使う作業です。

そして出荷時には花が痛まないように保護剤やカバーをかけるなどの作業も。こうして手間をかけられて、高品質な胡蝶蘭が私たちもとに届くんです。

【まとめ】胡蝶蘭が高いのは、国内生産せざるを得ないから

胡蝶蘭が高い理由は、『時間と手間・コスト・技術力』の3つが大きく関わります。完結にまとめると、

  • 完成された胡蝶蘭を輸入するのは難しい
  • 四季のある日本で栽培するには環境を整える必要がある
  • 苗と環境維持費が高い
  • 手間と時間がかかり技術もいる

胡蝶蘭の育成は難しく、出来上がった1本には価値があります。さらにその1本を寄せ植えして仕立てるのには技術が必要。本数が多ければ多いほど技術を必要とし、手間がかかるので5本立ち以上からグンと高価になるのです。

しかし今では、クローン技術が進んで増殖できるようになったことで、上質な胡蝶蘭を昔と比べて安く購入できるようになりました♪

安い胡蝶蘭には、それなりの理由がある

胡蝶蘭が高いのは分かっているけど、安く手に入れる方法はないのかな?

そう思う方もいると思います。しかし安さだけ追い求めると、粗悪品をつかんでしまうも。

胡蝶蘭のギフトを選ぶ時は、「本数・輪数」から選びます。同じ3本立ちのギフトでも、凛数が多くなるとより豪華に見えるんです。

3本立ち【27輪】

3本立ち【33輪】

しかし「33輪のギフトを買ったのに、30輪しか咲いてない…」ということも。これは蕾も凛数が含まれているからです。

蕾を含んだ胡蝶蘭
蕾を含んだ胡蝶蘭

最近では、胡蝶蘭を仕入れる時に33輪全部咲いてなくても”33輪”と表記しているコトが多いです。なので販売ページに「※蕾も凛数に含まれます」など書かれていないか、しっかりと確認してから購入しましょう。

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